アパートの一室


「この人が私の師匠!」

少女が言う

「…。」

体の拳聖は軽く頭を下げる

「ほら、手を貸せ!

脱脂綿を当ててテーピングしてやるから。」



少女が言う


「体の拳聖さん、これ、心の拳聖からです。」

「…。」

体の拳聖は手紙を受け取ると読み始める








「陸春華が日本に…


手紙に書いてある幸大君は君?」


体の拳聖は低い声で言う

「はい。」

「華仙に…心の拳聖に状況は理解した、ありがとうと伝えて欲しい。」


「わかりました。」



「俺は袴田 シンジ。

体の拳聖。

人と話すのは苦手だから誤解を招きやすいが気にしないでくれ。」


「…気にしなくていいんですか?


俺は小鷹 幸大です。」


「知ってる。

武神流の次期当主。」


「ええっ!?

武神流の次期当主って、一月前くらいにヤクザと武人会を相手に闘って勝ったって言う…?」


「詳しく話すと長くなるけど、とりあえず…君が思ってるほどスゴい人間ではないよ。」


幸大が言う



「…。

あずさ、お茶と御茶請けを買ってきてくれ。」

シンジは一万を少女、あずさに手渡す

「アイアイサー!」


あずさは勢いよく外に出た