隣町



「来たは良いものの…どこをどう探すかな…」

幸大が言う


「とりあえず…虎喰!」


グルルルルル…

虎の幻影が現れる

幸大は虎の幻影を引き連れて歩き出した


「拳聖が見つけてくれれば楽なんだけどなぁ…」


「てりゃぁぁぁぁぁぁ!」


スカッ…

「ありゃ?」

少女は虎の幻影に飛び蹴りをしてすり抜けた


「おっかしいなぁ…」


少女は陸上競技のような服を着ていた

胸部だけを覆うへそだしの上と、かなり短い短パン


少女の腹筋はくっきりと割れ、身体中が分厚い筋肉で覆われていた


「体の拳聖…なわけないか。」

幸大が言う

「ん?

あんた、師匠のこと知ってるの?」

「え?

じゃあ、体の拳聖の弟子?」


「へへ。

まぁね。」

「良かった、体の拳聖に会いたいんだ。」


「ふぅん…じゃあ、こっちにおいで。」


「ああ。」



幸大が少女についていく


「ここは?」

「空き地。

悪いけど…あんたも師匠を襲いに来たんだろ?」

「いや、違うって…」

「師匠のことを体の拳聖って言うヤツは師匠を狙う奴ばっかりなんだ。


お前は弱そうだから…師匠を狙う奴の下っぱなんだろ?


師匠には会わせない‼」



少女が襲いかかる



「な!?」


バゴンッ!

少女は素手でコンクリート塀を破壊する

「避けてんじゃねぇ!」


「流流し!」


ふわっ…

「ちっ‼

外した‼」

少女が言う


「虚空…」

(見ず知らずの女性を殴るわけにはいかないし…

こいつ、流流しで攻撃を捌かれたのを外したと思ったってことは武術の素人か?

ただ、体の拳聖の弟子って言うのは本当かもな…

威力があの泰介よりも上だ…)


「円遊!」

ヒュンッ!


「わわっ!?

ち、近いぞ‼」

少女に幸大が急接近した


(攻撃力が高いと当たれば最悪だ。

超至近距離で攻撃力を削って流流しで捌くのが一番効率的だ。)


「キャッ!?」


後ろに下がろうとして少女がつまずく

「わっ!」

少女はとっさに幸大の腕を掴んだ


ぐんっ!

幸大は思いっきり引っ張られた


「まずい‼

頭を撃つ‼」

少女は背中から倒れる

その後頭部の着地地点には尖った石があった


「間に合え!」

幸大は右手は少女の背中、左手は少女の後頭部に回し…抱き締める形で二人は転んだ



ドサァッ!