翌日


「あんた、私服でどこに行くのよ?

学校じゃないの?」


母親が言う


「ごめん…

今日はサボりたい。」

「サボりたいって…」



「ちょっと用事があるから!」



幸大が外に出た


(ネットで検索したけど…なずなの実家がやってる武神流はヒットしなかった。


だけど…昔に一度だけなずなの実家の近くに行った…はずだ。


3つほど隣の町に、迷子になりつつ辿り着いた。


今なら何となく…場所がわかる。)



幸大は電車とバスを乗り継ぐ







「ここ…だな?」


大きな山だ


山道の入り口には大きな木製の門


「何も書いてないけど…」


幸大が門を開けた



「…やっぱりね。」


「あ、確か…すみれ、さん?」



「気安く呼ばないで。」


「なずなは?」


「選出の儀の最中よ。


私は、御姉様に言われてあなたをぶっ潰す為に待ってたのよ!!」


すみれが幸大に向かって中指を突き立てた


「なずなが?」


「御姉様はあなたが絶対に来るから…山に登らせるなって。」


「そっか…

来るって思われてたんなら…行くしかないだろ?」



「行かせないわ。

御姉様には及ばないけど…私も武神流の使い手よ?」


ザッ…


すみれが構えた