「最後の別れは終わったか?」

泰介が言う


「バカな奴で助かったよ。」

幸大が言う


「何だと?」


「お前が今の瞬間も追撃してりゃあ、俺を倒せたのにな。」


「ふざけるな。

今からでも間に合う‼」

泰介が飛び掛かる


ザシュッ!

「ぐぁっ!?」

泰介の腹部に切り傷が出来た

「やっぱり、斬撃は防げないみたいだな?」

幸大が言う

「何をした!?」

「秘密、だ。」

ふらっ…

幸大がふらつく

「ヤバイな。

貧血だ。


悪いがちゃっちゃと終わらせる‼」

幸大がふらつく体で泰介に向き直る


「それはこっちのセリフだ‼」


ゴゥッ!


泰介が今までで一番勢いのあるタックルを繰り出した





ヒュンッ!


二人がすれ違った


「………。」


ブシュウッ!

幸大の腕から血が吹き出した


ドサッ‼

幸大が倒れた


「幸大!」

シェリーが言う


「あとは…任せたぞ?

足もガクガクで立てねぇ。」

幸大が言う



「見事な技だったな。」

幸大の元に、式場で後ろに座っていた老人が近寄る


「それほどでもないさ。」

幸大が言う


「ワシは連太郎。

お前さんは確か、幸大じゃったな?」

「ああ。」


「ははははははは!

何があったか知らないが、虫の息みたいだな、ガキめ!


お前ら、こいつを二度と逆らえないようにしてやれ!


さっき、てめぇが言った通り、四肢を切り落としてもまだ逆らえるか、試してやるよ!」



「手足を切られるのは仕方ないとして…

連太郎じいさん、悪いんだけどさ…あそこで戦ってる美少女3人が危なくなったら助けてやってくれないか?


じいさん、強そうだしな。」


幸大が言う


「己よりも優先するのか…まぁ、生き様は褒め称えよう。


その3人は何かあったら助けよう。

じゃが、ワシはお前さんの言うとおり強いからな。


お前さんも助けてやろう。」


「そりゃ、助かる。

ただ、優先順位はあっちでな。」

「うむ。」

「あのじじいも邪魔するなら殺せ!」


「うぉぉぉぉ!」

ヤクザが襲いかかる


「武神流奥義、王砲!」

ドゴォンッ!


ヤクザたちが吹き飛ぶ


「な!?

じいさん、あんたはいったい…」

幸大が呆然とする



「お祖父様!

会場から姿を消したと思ったらなぜ、騒ぎの渦中にいるのですか!?」


「なずな?」

「…幸大。

って、ボロボロではないか!」


「あんた、折れた骨が腕から突き出してるわよ!?」


すみれが言う