数分後



「ハァ…ハァ…」

幸大は口から血を吐き、服もボロボロになっていた

「ここまで弱いとは…そろそろ終わりにしましょう。」

男が言う

「王砲!」

ドゥッ!

「げほっ!?」


「幸大!」

ザッ!


シェリーが幸大の前に立つ


「シェリー…」

「あんたが勝てない相手に私が勝つなんて無理だけど…


それはあんただけが傷付く理由にはならないでしょ?

あんたがボロボロになってんだから…私だってボロボロになるまではあんたの盾になってあげるわよ‼」

シェリーが男を睨む


「私は女も手加減しない‼

王槌!」

男が殴りかかる


「バカ。

武神流奥義、王鍾!」

ドッ!


幸大は男とほぼ同時のタイミングでシェリーの背中を拳で一撃打ち込んだ


「何をした!?」

男が動揺する

「え?

一体何が?」

シェリーもわかってない


「俺は確かに顔面を殴ったはずだ!

なのに、なぜ俺の手が弾かれてるんだ‼」

男が言う


「一人称は私じゃなかったか?

取り繕った化けの皮は脆いな。」

幸大が言う


「見事な徹し技だ。

その技は打点ではなく力の収束点を己で決めその収束点以外には一切のダメージを与えない技だ。

それを人体を徹し、相手の拳にタイミングを合わせて相手の攻撃を弾き飛ばすとは、なかなかに技を磨いている証拠だ。」



武人会の老人たちがロビーに集まっていた