「は?

人間にそんなことできるわけねぇだろ!


てめぇらも何してんだよ!

さっさとあのガキを潰しにいけよ!」

新郎が武人会の面々に怒鳴りちらす

「我々が厄介なのは現当主の武神流。

もし、あの若造が継ぐならそれは一度見ておきたいものだ。

腐りかけ、失い始めた武人の誇りを皆に思い出させるほどの気迫であったからな…隣に座るお嬢ちゃんを守るあの気迫は。」

武人会の老人が言うと面々も頷く

「は?

ここに来て裏切る気か?

ふざけるな!

ぶっ殺すぞ!」

カチャッ…

新郎が武人会の老人に銃を突き付けた

「この爺を殺されたくなけりゃあのガキをさっさと連れ戻せ!」


「ハァ…。

本来、お前さんが連れ戻すのはあの若造ではなく、新婦の方であろう?

それを一時の感情で…やはり、貴様は器が小さい。」

「何だと?」

新郎が引き金に指を掛ける

「その器で流派を一つ束ねようなどとは、身の程を知れ。」

「言わせておけば‼」

引き金に掛けた指に力が入る

「貴様は先ほど、人間にそんなことできるわけない、と言ったが…」

カシャンッ…

新郎が構えた銃の銃身がいつの間にか切断されていた


「この老いぼれにもまだこういう芸当ができるだけの力はあるぞ?

年寄りをなめるなよ?

坊や。」


「な、何なんだよ…」

新郎が言う

「若造を捕らえるのはともかく、じっくりと見ておきたいのは事実。

我らも行こうかね?」


「「はい。」」

武人会の面々が式場を出た



「くそ!

全力であのくそガキを殺すぞ!」


新郎も式場を出た