「貴女はこの者を夫として、病める時も健やかなる時も支え愛することを誓いますか?」

神父はツバメに問う

ツバメは一息置いて神父を見た

「そんなのはまっぴらごめんです!」

「な!?

ふざけてるのか!?」

新郎が怒鳴る

式場もざわめく

「こんなこと冗談で言うわけないじゃないですか。」

ベリベリ‼バサァッ!

ツバメは背中のマジックテープを剥がすとドレスを脱いだ


「どうなってるんだ!?」

新郎が言う

ツバメは短パンにTシャツだ

「本当は一人で逃げようと思って、逃げやすいようにドレスをマジックテープにしておいたんですけど…」

タタタッ、

ツバメが幸大のそばに駆け寄る

「囚われのお姫様を救うのは王子様の役目だよね?

幸ちゃん?」

幸大がゆっくりと立ち上がる

「最初から逃げるつもりなら言っとけ。

そうすりゃ、敵地のど真ん中で拳を握らずに済んだのによ。」