空はオレンジ色になり始めた



「そろそろ…宣告の時だな。



皆のもの、止めい!!」


門弟たちが動きを止めたその時…


ギィィィィ…


広場の大きな門が開いた


「やっと…着いたか。」


「な!?

幸大!?」

なずなが言う


「まったく…道が長いっつーの…

はぁ…疲れた。」


「なずなの知り合いか?」

父親が言う


「はい。」


「ふむ、友ならば見学くらい許そう。」


父親が言う


「君は何で私の言うことを聞かない!!


バカか!?」

なずなが言う


「まぁ、バカなのは否定できないけどさ。」

幸大が広場の前方へと歩き始める


「こんな私なんかに構わずに友達と遊んで、学んで、学校行事とかをこなして…

君は私の分まで…楽しんでくれ。

私は…もう君と同じ生活はできない。」



「は?」

「ここで伴侶を見つけ、ここで伴侶に尽くし、武神流の巫女として一生を終える。


だから君にはここに居てほしくない。」

「…。」


「察してはくれないか?


君がいると…今までの生活が惜しい。



そして何よりも…君の前で私は、私の夫を選ぶなんて…したくないんだ。



わかってくれ!!」


なずなの頬に涙が伝う