「いえ…母上には大変感謝しております。


大切なモノを知れた…それは大きな経験です。」

「そう…」



「あの…」

侍女が母親に何かを耳打ちする



「…そう。」

「いかが致しますか?」


侍女が言う


「何もしなくて良いわ。

それと誰にも言わなくて良いわ。」



「わかりました。」

侍女が下がる



「母上…どうされました?」



「些細なこと…ですよ。


とにかくあなたは考えをまとめて、宣告の時に迷うことのないようになさい。



宣告の時…広場に居る者からあなたの将来の夫を選ばなければならないのだから…。」


母親さ柔らかい笑みを浮かべながら慈しむようになずなの頭を撫でた