気まずいまま、やっと授業が終わった。







俺はすぐにカバンを持って教室を出た。






その日は家に帰っても落ち着かず、夜もなかなか眠れなかった。






確かなことは、俺の頭のなかにはずっと彼女がいたってこと。





逃げないって決めたのにまた逃げてしまった。



そんな自分に何だか情けなくなった。



ホントに頼りなくて



ホントに弱虫で



ホントに逃げてばかり。



俺はずるい。



突き放されてもやっぱりまだ彼女が好きだ。



きっと高島が彼女に告白して、付き合うことになったら嫉妬する。



なんて醜いんだ。



今まで本気で人を好きになったことがないから、どうしたらいいのかわからない。



その前に、自分がどうしたいのかもわからない。



情けない。







ただ心の中でそう思うだけだった。











気が付いたら眠りについていて、翌朝起きたのは6時ごろだった。





家を出るのは8時ごろ。





早く起きすぎた。





顔を洗いに洗面所に行くと、鏡にあざをたくさんつけた顔が写っていた。