「何なのっ?!あたし今日日直なのっ!まだ日誌書いてないし、高島くん置いて……」






バンッ!






俺は彼女を壁ぎわに追い込んで、壁を思いっきり殴った。






彼女は驚いた顔をしていた。










「もう……高島の話はするなよ。」






冷静に考えて、自分の行動と発言に驚いた。



でももう遅かった。






あまりに恥ずかしくて俺は顔を赤くして下を向いた。








「弘くん……」








彼女の声でハッと我に帰った。









「離して。」




俺は掴んでいた手を離した。







「帰って。あたし日直の仕事あるから。」










それだけ言って、彼女は教室に戻ってしまった。











とんでもないことをした。



でももう遅かった。









俺はカバンを持ち直して、靴を履き変えて学校を出た。















「嫌われた。」





翌日の昼休み、俺はまた聡と屋上でお弁当を食べていた。









「まぁ、いいんじゃないの?うじうじしてた頃に比べれば進歩じゃん。」





聡は横で笑いながらパンを頬張っていた。