当然のことを言われてイラッときた。





ガッ!





気が付いたら俺は聡の胸ぐらを掴んでいた。





ボコッ!!





初めて人を殴った。



拳が痛かった。





殴った衝撃で、聡が地面に倒れ込んだ。





「ホント素直じゃないなぁ。まだ好きなんでしょ?それでいいんだよ。まだちゃんとフラれてないんだから、最後まで付き纏えよ。しつこいんだろ?」





“わざと”か。





「フラれる前提かよ。けど、ありがとな。スッキリした。」







俺は聡に手を差し出して、聡が掴んだと同時にひっぱり起こした。









ちゃんと聞く。



甘えない。



何か理由があるはずだから。



逃げてちゃダメだ。



最後までしつこいく付き纏わないとな。






俺はもう一度はっきりと理由を聞くことにした。



もう逃げないと決めた。















「綾咲。」



放課後、一人で日誌を書いている彼女に話しかけた。





「何?黒川くん。」




いつの間にか、“弘くん”から“黒川くん”に呼び方が変わっていた。