「教えてくれるまで聞いちゃえば?何だったのか知りたいんだろ?じゃ、聞けばいいだけじゃん。」




聡の答えは正論だったけど、すぐに頷くことはできなかった。








「何かさぁ、そんな簡単に聞けないんだよね。聞いちゃいけない気がするっていうか……プライベートにそんな……ズケズケと土足で入ったらまずいだろ?」





俺の頼りない答えを聞いて、聡は大きくため息をついた。





「あのさぁ、お前がそんな頼りないからあっちも話しずらいんじゃないの?心配だからこうして毎日送ってんだろ?お前がもっとしっかりしろよ。」








当然のことを言われた気がした。




しばらく下を向いて答えを考えたけど、ただの言い訳にしかならないと思った。









「聡、ありがと。帰りにまた聞いてみるわ。」







その後お弁当を食べて、いつも通りに午後の授業が始まった。




午後の最後の授業は英語。




隣の席の彼女とは少し距離があったから、先生の目を気にしながら紙に内容を書いて丸めて投げた。






くしゃくしゃの紙を見た彼女は、不思議そうにこっちを見た。