隣を見ると、彼女は泣いていた。




俺はただ繋いでいた手を強く握った。















「ごめんね?」



帰り道、さっきまで泣いていたのが落ち着いたのか、彼女が話しかけてきた。






「何が?俺犬好きだよ?」

「あたしも大好き。」





彼女の“大好き”って言葉に、何だか少し照れた。




やっぱり俺、綾咲のこと好きなのか。






隣から小さな声で“ありがとう”と聞こえた。