いったい、2人はいつからいたのだろうか?
もしかして、私とユージスのやり取りを見てた…?
そんな不安がカローナの胸中に渦巻く。
しかし。
「ようやく人間の姿に戻れたんだ。遅くなって悪かった」
そう言って近づいてくるルイの様子を見ると、どうやら会場に到着したばかりのようだ。
「そうだったの…」
「あぁ…。カローナはロコといたのか?」
レインの横に立つロコに視線を移し、ルイはカローナに問いかける。
見てなかったならわざわざユージスの話をするまでもないわよね…。
ルイは、ただでさえ呪いのせいでストレスを感じているのに、余計な心配を殖やすのもよくないわ。
そう思ったカローナは「えぇ」と、首を縦に振った。
「…そう、わかった。じゃあ手始めに1曲踊ろうか」
スッと、カローナに向かってルイは優雅に手を差し出す。
「喜んで」
カローナも差し出された手の上に自身の手を重ね、ニコリと微笑んだ。