「…カローナお姉さま大丈夫ですか?」

ユージスが去った後、心配そうに声をかけてくれたロコはキュッとカローナの手を握る。

「大丈夫よ」と、幼いロコに心配をかけないよう笑みを浮かべるカローナ。

しかし、そんな言葉とは裏腹に彼女の心を支配していたのは『君はルイに騙されている』そう言ったユージスのあの発言。

あれはどういう意味…?

それに本当のことが知りたいなら12時に裏庭に来いだなんて…。

もちろん、カローナ自身も怪しいということはわかってはいたが、どうしてもユージスの言葉が気になってしまって。

どうしようかしら…。


そう心の中で迷っていた時。

「カローナ、どうかした?」

と、名前を呼ぶその声に思わずピクッと反応してしまう。

「ルイ…」

「…ロコは、こっちにおいで」

「レイン兄さま…!」

ルイの隣で、ロコに声をかけるレインの姿も目に入ってきた。