「そうですか。それは残念…。フラレてしまいましたね」

なんて口では言っているけれど、その態度を見ると残念だなんて思っているようには微塵も感じとれなかった。

「…ご用がそれだけなら、私はこれで失礼させて頂きます。…ロコちゃん、行きましょう」

自身の後ろに隠れるように立っていたロコの手を握り、カローナはユージスに背を向ける。

すると。
 
…!!

突如、グイッと腕を引かれ、驚いて再度振り返るカローナに対して。

「…カローナ、君はルイに騙されてるんだよ。本当のことが知りたかったら今日の夜12時に裏庭においで」

耳元でそう囁いたユージスは、フッと不敵な笑みを浮かべると「じゃ、またね」それだけ言い残しその場を立ち去ってしまった。