「今後、オルテカ国を、ルイ王子を支えることができるよう精進していきたいと思っておりますので…皆様よろしくお願いいたします」
深々と頭を下げるカローナの姿に、貴族たちは目を見張る。
凛とした佇まいは、およそ小国の田舎姫とは思えないほど堂々としていたからだ。
カローナ自身も本当は緊張で卒倒しそうになっている。
しかし、恩人であるルイの顔に泥を塗るわけにはいかないと必死で堪えていた。
「カローナ様、震えていらっしゃるわ…」
その姿に気づき、感銘を受けた令嬢がパチパチ…と、小さな拍手をする。
その拍手を皮切りに、どんどん拍手が大きくなっていき…。
最終的には「ルイ様、カローナ様おめでとうございます…!」と言った声まで聞こえてきてカローナはソッと顔をあげた。
正直、受け入れてもらえると思っても見なかった彼女にとって、予想外の出来事。
しかし、内心とても嬉しくて…。
カローナは笑みをこぼした。
まるで花が開いたような綺麗な笑みに、参列者たちは感嘆のため息をもらす。