次の日。


「おい、莉央起きろ」


「・・・んん?」


「学校行くぞ」


「え!?」




莉央は勢いよくベッドから跳ね起きる。

「う、嘘。当分行かないんじゃなかったの?」


「やっぱ行こう。・・・お前の為にもさ」


「・・・でも」


「たくさん休ませて悪かった。今からでも十分間に合うと思うんだよ。だから、行かないか?」


「お兄ちゃんがそこまで言うなら・・・」


「おし!じゃあさっさと支度しろー!」






本当は誰にも莉央を見られたくない。

男にはもちろん、女にも。



莉央を見るのは俺だけでいい。

莉央が見るのも俺だけでいい。



だけど、
それじゃああまりにも莉央がかわいそうだ。


まだ若い。

・・・友達ともたくさん遊びたいだろうし

青春も謳歌したいと思う。




俺の分もしてほしいし。




「お弁当は・・・!」


「んなもん、買えばいいだろ」


「えー」


「ほら、遅刻するぞ」



俺と莉央は学校に向かった。