俺は里奈と別れ、家に戻った。




「お兄ちゃんおかえり!」


「おう、ただいま」


「まだ4時だよ?早いね!」


「早く・・・莉央に会いたくなったんだ」


「もー照れるよ!」


「莉央が作ってくれたおにぎり、今食べるわ」


「ええ!?食べなかったの?駄目だよ!もう・・・お腹壊しちゃうから夜ごはんまで待ってて!」


「腹減ったんだよー」


「我慢して!もう高校生でしょ?」


「なんだよ、母親みてぇだな」


「妹兼母親ですから♪」


「・・・あー?ちげぇだろ」




俺は莉央を引き寄せ、耳元で囁いた。


「俺の女、だろ?」


「・・・うん」




俺は
優しく莉央にキスをした。



「莉央、ごめんな」


「何が?」


「・・・ごめんな」


「・・・?」



莉央は何に対して俺が謝っていたのか気付いていなかった。


それでいい。

・・・もう過去の事を思い出させる必要もない。


これからは先の事だけ考えればいいんだから。