辛くて、すぐに投げ出しそうになった。
今、目の前で震えている彼を抱きしめてあげたい。
嘘だよって
大丈夫だよって声をかけたい。
許される事なら
今すぐにこの場所から一緒に逃げだしたい。
遠い未来を、貴方と共に過ごしたかった。
「ねぇ、私といて楽しかった?」
最後に、こんな事を聞いてごめんなさい。
これだけは許して神様。
恭介くんは頷いてくれた。
それだけで
私の心はいっぱいになる。
「ふふっ。そう」
私は恭介くんに背中を向けた。
「・・・り、里奈」
「さようなら。もう私なんかとは一緒にいない方がいいわ」
「ま、待ってくれよ」
「なぁに」
「俺のこと・・・好きだった?」
「・・・」
"好きだった"?
そんなわけないじゃない。
"愛してる"わ。