「・・・少し早めについちまったな」
午後1時までまだ40分はあるだろうか。
体がそわそわしてきた。
「・・・落ち着け、俺」
深く息を吸い込み、
ゆっくりと息を吐いた。
トントンと俺の肩を優しく叩く音が聞こえる。
俺はそっと振り返った。
「久しぶり」
昔と変わらない声。
聞き覚えのある、懐かしい声。
長かった髪の毛はベリーショートにまで切られていたが
すぐに彼女だと分かった。
「里奈・・・」
「大人っぽくなったのね」
「・・・」
「あの子供だった恭介くんがね笑」
柔らかく笑う里奈。
俺は心の裏側がむず痒くなった。