「この子同じクラスのね?」


ヤメロ


「佐々木翔-ササキカケル-君って言うの!」


ヤメテクレ


「今度の土曜日新しいクレープ屋さん連れてってくれるって!」


ソイツニ向ケタ笑顔ヲ俺ニ向ケルナ


「えっと莉央さんのお兄さん・・・ですよね?どうも佐々木翔です!」


「何その言い方ー!笑」


「しょうがないだろ!?」


「緊張しすぎ!リラックスリラックス!」





黒い感情が俺を満たしていく。

どうしてこんな気持ちになるのか。



「お兄ちゃん?」


異変に気付いたのか俺を覗き込む莉央。


・・・この感情を莉央に気づかれては駄目だ。





「帰るぞ。莉央」


「え!?いや、えっと・・・翔君・・・」


「いいから」


「お兄ちゃん??」



俺は莉央を押しのけ、佐々木翔という男子の前に立った。



「翔っつったか?」


「・・・は、はい」


俺はそいつにしか聞こえない声でこう言った。


「莉央には近づくな」