一日の授業が全て終わり、自分の教室を出た。
莉央との待ち合わせは校門だ。
俺は早足で向う。
前までの俺ならありえないが、莉央を新しくできたクレープ屋に連れて行ってやろうと思う。
・・・あいつ甘いものに目がないしな。
俺が生徒玄関を抜けようとした時、下級生の下駄箱近くに莉央がいた。
誰かと笑顔で喋っている。
俺は莉央に声をかけようとした。
だが、
莉央の隣にいたのは見知らぬ男子生徒。
「じゃあ土曜日そのクレープ食べに行くか?」
「うん!!いいよ!」
「お前甘いもの好きだもんな」
「あっばれてた?」
「いつも売店でアイスやら菓子買ってるやつがよく言うよ笑」
俺の中の何かが音を立てて壊れ始めた瞬間だった。
熱い。
胸が苦しい。
今まで感じた事のない感情が体中を駆け巡る。
「あ、お兄ちゃん!」
莉央が俺に気づき、声をかけてきた。