「重いでしょ」


「軽い軽い。もっと飯食った方がいいぞ」


「・・・もう」



自慢じゃないけど俺は結構足が速い。


運動も嫌いじゃないし。

だから、俺は莉央も軽々とおんぶし
さっき自分が走っていた時と同じような軽やかさで走り続けられる。




「お兄ちゃん速いね♪」


「当たり前」




なんとか時間までにたどり着き、校門で莉央を降ろした。

「じゃあまた帰りね!」


「おう」



莉央と同じ学年だったらどんなに良かったか。

・・・言ったら怒られるけど、留年したい。



「お兄ちゃん?」


「な、なんだよ」


俺の心を読んだかのように、莉央が振り返る。


「なんか聞こえた気がしただけ!じゃあね!」



・・・莉央には隠し事できないな。