次の日の朝。


「莉央がまさか・・・寝坊するとはな」


「目ざましかけるの忘れちゃってたのっ」


「弁当もねぇし」


「時間なかったんだもん」


「ったく・・・ほら、走るぞ」


「あーっまってぇー!!」





莉央とは毎朝一緒に登校している。


今日に限ってこんなに慌ただしいけど。




「お兄ちゃん足早すぎ!」


「お前が遅いんじゃね?」


「・・・そうかもしれないけど!」



息の上がっている莉央に対し、俺は息も切らさず走り続ける。


「も・・・だめ。お兄ちゃん先に行って?」


「そんなことするわけないし」


「でも、これじゃあ確実に・・・」


「俺にまかせろ。ほら、俺の荷物もっといて」



莉央に鞄を持たせたあと、俺はしゃがんだ。


「え?」


「早く乗れよ」


「い、いいよ。私重いし!!お、おんぶとか・・・」


「いいから」



莉央はしぶしぶ俺の背中に体を預ける。