――――――ぐぅ〜〜〜〜…
「!!」
「くっ……」
私のお腹が大きな音をたてて鳴った。
笑いを噛み殺しだす渡川。
く、くそぅー…
恥ずかしいー…
けどお腹空いたーー!!
なんて思っていたら、笑いながら渡川が言った。
「よし、ならかわいそうなシイに特別に俺がおごってやるよ!」
――――――――――…
渡川に連れられたのは、街の通りの路地裏に入ったところ。
あー…
いい匂いしてきた…
――――ガラッ…
「いらっしゃいー!」
中から威勢のいい声が聞こえてきた。
それと同時に外で嗅いだいい匂いが中から漂ってくる。
「おっちゃーん。
奥の部屋借りるぞー」
渡川が厨房のほうに声をかける。