突然、徹の顔が視界に移った。




「俺の話聞いてた?」


「あ、ごめん…聞いてなかった」


「おいー…」




ぼーっとしすぎちゃった。

徹の話聞いとかないと…


私は笑いながら謝る。




「ごめんごめん。
何の話?」



「―――――リカが今度、保育園の同窓会しないかっていう話」




〔リカ〕

今一番聞きたくない単語だった。


メールを見た時みたいに、息が一瞬止まった。



「リカがセッティングしてくれるって。
シイにも連絡来てる?」



来てない。
来るかも知れないけど、きっと…


胸が握りしめたように痛い。



「転校してきたばっかなのにすごいよ。

いいやつだよな、リカって」



笑いながらそういう徹。





「――――――やだ」