ガラッ…
  突然扉が開いた。
  

  私は泣いている顔を見せないように
  窓の外を向いた。



  窓の外には、サッカーをする、
    隼人の姿と、友子達の姿があった。




  隼人、サッカー頑張れ。
  あなたならもう出来るよ。



  「なぁ、俺のノート知らね?」

  突然話かけられて少し驚いた。


  泣き顔がばれないように
  なるべく俯いたまま振り返る。

 
  「ごめん、見てないや。」


  涙で視界がぼやけて顔がよく見えないや。


 「ありがと、別んとこ探してみるわ。」



  「ありがと、由希。」

 
  
   えっ?誰?
   

 

  ガラッ…


  帰っちゃった。
  名前聞こうと思ったのに。 



  
  しばらく経ってから再び外に
          目をやった。


  隼人が女子に囲まれている。



  早く私なんか、忘れちゃいなよ。
      

  じゃないと、私がおかしくなりそう。