自己紹介が終わると、クラスの女子が
   押し寄せて来た。
  
 「隼人君と同じ中学だったの?」
 「隼人君紹介してよ!」

  気安く隼人って呼ぶな。
  隼人はおまえらになんか絶対興味無い。

  こんなこと、考えちゃだめだ。
  忘れるって決めたのに。



「あんまり高堂と話たことないからごめんね」


   嘘ついちゃったよ。
  話どころかつき合ってたよ。


「そーなんだぁ、じゃあさ協力してくんない?」

   
  え?



  頭が真っ白になった。


 好きじゃないんだからと、心の中で
  言い聞かせた。

  
 「ぅ、うん!協力するよ!」
 
  「やったぁ!ありがとっ由希ちゃん!
   私城山友子。宜しくねっ」

  何、こいつ。
  いきなり下の名前とか。

   だめだ、隼人の事忘れるんだ。
 
  前みたいに嫉妬しちゃいけない。 



  忘れろ私、隼人を傷つけないためにも。
  隼人に幸せになってもらうために。


      忘れなきゃ、隼人を。