川口君が先に波打ち際まで走りだし、あたしもそのあとを追う。
やっぱりいつでもあたしは“川口君の後ろ”。
「きゃー!」
「ハハッ」
川口君は、波の水を少しすくうとあたしにかけてきた。
川口君の触ったものが、あたしについた...
こんなことかと思うだろうけど、こんなことでも嬉しいんだよ。
制服、洗えないよ...
「きゃっ!バカ!お返しっ」
あたしは川口君がかけてきた水の倍返しをした。
「うぉっ!俺、こんなかけてねーし!
びしょびしょだって~」
「なんか、お風呂上りみたい。アハハッ」
「ばぁーか。百瀬のせいだし~」
あ///
口をとがらせて、拗ねたふりしてる。
そんなの可愛すぎて、何も怖くないよ。