「どんな人ですか、その人は?」
潤は興味をもったのか、トラに詳しく聞こうとしている。
聞かない方がいいと思うけれど……
「この幹部内で、例えるとするなら……
ケイが姫、あいが王妃、俺とライオンが兵長。そして、あいつは……」
ごくりと、潤は緊張したように喉を鳴らした。
「無敵の王様」
「王様……?」
潤は、不思議そうに繰り返した。
そう、あいつは王様。
誰でもーー必要であれば仲間でも殺せる冷酷さを持ちながらも、
仲間を思い、助け、私たちを正しさへ導こうとする。
「Jと似ているんじゃない?」
私はポツリと潤に言った。