「CDについて調べているわけじゃねぇから、スパイとは違ぇが……。
CDに潜入した愛は、暗殺組織からの視点で裏の世界を見ることが使命だった。」



そして、俺と思わぬ再会し、今に至る。



これが、俺について、愛についての全てになる。



「愛には、再会してからずっと、表に帰れと説得されていたんだ。
俺は裏にくるべきじゃねぇと、何度も泣きながら言われた。」



「潤は……表に戻るの?」



寂しそうなか細い声で、胡桃は聞いてきた。



「戻らねぇよ。俺は胡桃のためにここに来たんだ。
愛になんと言われようと、戻ることはねぇ。」



「そっか………」



胡桃は、もう微笑んでいた。


その顔をさせたかったんだ、俺は。



胡桃は、俺の過去に下手に何も言わずに、受け入れたのだと、わかった。



まぁ、元から最強とか言われてた俺だから、極道って言われても不思議には感じねぇか。