「当然、今なら親父は組の全てと、数名の仲間の命…どちらを守らなきゃいけないのか苦しんでいたことを、わかる。」



お互いに相思相愛だった、親父と母さん。



親父が、そう簡単に割り切れるはずがなかった。



それをわからなかった、子供の頃の俺たちは組を拒んだ。



結果、偽りの表の住人として、生きてきた。




「だけど、それから何年かして、愛は失踪した。いくら探しても、見つからなかったんだ。」



親父たちだって、探していたが……今思えば、それは俺に対するカモフラージュだったわけだ。



「だが、それは親父の差し金だった。
今だに拒み続ける俺とは違い、愛は親父の世界に戻ることに決めたーーらしい。」



そして、愛はCDに入り、どんなことが裏の世界で起きているのか……別の視点として見ていたそうだ。