「できるはずがない。そんな要求を飲んだら、当然俺たちはCDに瞬殺されることは目に見えている。
当然親父は……抗った。Red に多くの交渉をしたんだ。」



けれど、そんなこと成功するはずがない。



Red にしてみれば、極道に対して有利が揺るがないこの状況で……


どんな条件も飲む必要はなかった。




「最終的には、親父は俺たちの母親を見捨てるしかなかった。」



そして、後から送りつけられた、母親や捕まった組員を殺す映像。



「最初から最後まで全部、組の後継者として……極道の息子と娘として見た。」



10歳前後の俺たちが、それを受け止めることは出来なかった。



『親父は母さんを裏切った』



そうとしか思えなかったんだ。