でも、胡桃と離れたくねぇ。



だから、最初から最後まで全部話さなきゃいけねぇ。




「あいつの本名は、相馬 愛 (そうま あい)。俺と愛は血の繋がった実の姉弟だ。」



そこまで聞くと、胡桃は少し安心したのか、表情の緊張を緩めた。



「だから、俺が愛を好きなんてあり得ねぇし、愛の “好き” の意味も家族的な意味だ。」



最初に解いておかなきゃいけねぇ誤解を解く。



だが、ここからが本当に話さなきゃいけない内容だ。




「胡桃。俺は元から裏の人間の家に生まれた。俺は、極道の家の息子なんだ。」



生まれた時から、俺は裏の人間だった。