のっぺらぼう
のっぺらぼう

ノッペラボウ


その言葉だけが、頭の中をぐるぐる回る。



「…もういいよ。

次移動教室だし、行こう。」



そう言いながら出て行った友人たちに取り残されても、何も思わなかった私は、


もしかしたら、表情だけではなく、心までもノッペラボウなのかもしれない。



「……。」


見せかけの、友達。
外見と権力だけが決めての、恋愛。


この世界は薄っぺらいものばかりで、溢れている。


こんな世界で泣いたり笑ったりするのは、めんどくさい。




「ーー大丈夫ですか。」

「……っ。」