看護師さんが行ってしまってから、すぐ翔兄ちゃんが来た。
「真奈ちゃん、熱が出てきたんだって?ちょっと診させてよ。」って翔兄ちゃんに言われたけど返事ができずに涙が浮かんで来た。
涙の浮かんで来た私をみて、翔兄ちゃんが困ったような顔をして、「真奈ちゃん、ちょっと診察室に行こうか?起きれるか?」って私の身体を起こして抱き上げられた。
翔兄ちゃんに抱っこされて、点滴を転がしながら、診察室に連れて行かれた。

診察室のベッドに寝かされて、「さて、真奈ちゃん、今日はどうしたの?何かあった?」って言いながら翔兄ちゃんは診察の準備をしてた。
聴診器で胸の音を聞かれ、お腹を押さえたり、のどを診たり一通りの診察を受けた。
怖くって涙が出てきちゃったけど、嫌だとかは言わずに我慢してた。
「真奈ちゃん、熱が高くなってしんどい?どこか痛い?」って聞かれたけど、ううんって首を振っっちゃった。頭が痛かったけど、言えなかった。
「困ったね。何にも言ってくれないんじゃ、わからないよ。」って翔兄ちゃんに言われて、涙が一気にあふれてきた。
「どうしちゃったのかなぁ?そんなに泣かなくてもいいんだよ。」って言いながら、翔兄ちゃんが頭をなぜたりしてくれた。
「・・・グスッ・・・ごめんグスンなさい・・・涙・・・」
「・・・真奈ちゃん?今日は、ごめんな?誰もついててやれないし、健もすぐ仕事に行ってしまったんだろ?今日の真奈ちゃんは体調悪いし、しんどい時に誰も一緒にいてあげられなくて辛かっただろう?今夜は仕事終わらせたら、少しついててあげるからね。そのときならお話できるか?」
「ううん。忙しいのに翔兄ちゃん大変なのに、グスッ迷惑グスッかけられないグスッ涙」
「迷惑じゃないよ。大丈夫だよ。そんなこと気にしなくていいから、真奈ちゃんは身体のこと考えて早く元気になろうな。」
「・・・グスッごめんなさい・・・」
「謝らないの。悪いのはこっちだよ。真奈ちゃんのさみしい気持ちに気付いてあげられなくてごめんな。」

「さてと、熱どうするかな?ちょっと冷やして様子みようか?部屋に戻って、アイス枕してみるか?」翔兄ちゃんはそういって、また、私を抱き上げて、部屋にもどってベッドに寝かせてくれた。
「アイス枕の用意してもらうからね。少し待ってて。そうだなぁ、あと1時間くらいしたら仕事終わるから、また来るからね。それまで一人で大丈夫か?」
「うん、大丈夫。」