入院して3日目。
喘息は点滴のおかげで大分よくなってきてたけど、微熱が下がらない。
翔兄ちゃんは毎日診に来てくれるけど、忙しそう・・・。
今日は、おばさんが用事があって来れないって言ってた。健兄ちゃんが仕事の前に来てくれたけど、すぐ仕事に行ってしまった。

あぁ、退屈だしさみしいなぁ・・・。点滴あるから散歩にも行けないし、そもそも熱があってしんどくて動く気がしないけど。
ぼんやりとテレビを付けていたら、隣のベッドに翔兄ちゃんが来てるみたいだった。
話声が聞こえてきた。
しばらく翔兄ちゃんが何か処置をしているみたいで、「もう少しですからね、頑張って・・・」とか聞こえてきてた。やっぱり翔兄ちゃんはやさしいお医者さんなんだなぁって思いながら、帰りに私のベッドものぞいてくれたらいいなぁって思ってたけど、そのまま行ってしまった。

やっと翔兄ちゃんが来てくれたと思ったら、微熱があるから検査するって言われた。
「検査って何?」
「血液検査だよ。すぐ終わるからな。はい、右手こっちに出して。」
「注射は嫌だ。しなくていい。」って言って布団に潜り込んだら
「真奈ちゃん、わがまま言わないで、言うこと聞いて。注射って言ってもそんなに痛くないから、すぐ終わるんだから、少し我慢して・・・」って言って私の腕を出して無理に押さえられた。
「すぐだからね。ちょっと我慢して」と聞こえたらすぐ、チクってした。
「イタっ・・・」むりにされて、涙が出て来た。
「はい、終わり。泣くほどじゃないだろう?ほら、もう泣かないよ。大人しく休んでなさいね。」と言ってすぐ、行ってしまった。

翔兄ちゃんきっと私のこと呆れてる。わがままだし、泣いてばっかりだし・・・。翔兄ちゃんは忙しいのに、迷惑ばっかりかけてる・・・
だんだん、悲しくなってきて、どうしていいかわからなくって、どんどん涙が出て来た。
「・・・グスッ、・・・グスッ・・・」涙が止めどなく出てきた。
一人でベッドで泣いてたら、だんだん、息も苦しくなってきて、咳も出て来た。
「ウッ、グスッ・・・涙・・・ゴホッケホッ、ゴホゴホッ・・・ウッ・・・」
息苦しいし、咳も出るし、しんどくなってきたけど、どうしてもナースコールできなかった。
ゴホゴホッと咳が出て、涙もでて、グチャグチャになりながら、咳き込んでたら、どうやら同じ部屋の人が代わりにナースコールしてくれたみたい。