店員さんの後について行き、入場の扉の前に来た。
もちろん扉は閉まっている。
そしてそこには育斗のお父さんがいた。
育父「俺が代わりに歩こう。」
「お父さんっ…。」
嬉しくて涙を溜めていると泣くのは早いと言われた。
育斗も定位置に行き、お父さんと2人になった。
…正確には店員さんもいるんだけどね。
育父「若葉…これからは俺たちも家族になる。」
「はい。」
育父「…俺は決して長くは生きられないだろう。
でもな、今俺は幸せだ。
息子の結婚式を見れて、そして娘になる若葉と歩く。
ありがとう。
息子と出会ってくれて…。」
そんなことを言われて涙を抑えられる人なんていないだろう。
私は我慢していた涙を流してしまった。
メイクが取れないように擦りはしなかった。
「おとっ……さん…。」
育父「泣きやめ。
もう始まるぞ。」
「っ…はいっ……。」
そして泣きやんだと同時に扉が開いた。
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