ねえ、夏生、
私いつもと同じ
リレーのアンカーだよ。
いつもこのアンカーは
バトンでアナタを繋いでくれた。
頑張って一位になるからね。
『いちについて、よーいドンっ!』
もうこの声を聞くのは
三回目。
二位でバトンを渡された。
「頑張れ七瀬!」
「うん!」
抜かせる、大丈夫。
パンパンっ!
「七瀬!頑張ったね」
「う…うん」
一位だったよ。
私頑張ったよ。
だから、夏生…ー。
「七瀬ー!!好きだー!」
「七瀬行きなよ」
「うん!」
そこには、松葉杖をつく
夏生の姿があった。
嘘じゃない?
夢じゃない?
「夏生…ー目覚めた?」
「おう!」
「大好き!」
リレーのアンカー。
それは、皆の嫌われ者。
でも、私は好き。
アナタに出会えた。
恋ができた。
アナタと私を繋ぐ
アンカー。
~end~