ある時夏生が言った。
「俺が死んだらどうする?」
って。
でもすぐに
「まぁ、ありえねぇけどな」
って言ったから
ただふざけてるんだと思っていた。
なのにさ、
この手紙は何?
『七瀬へ
別れよう
夏生 』
え?だってさ、
まだ付き合って
そんなに時間経ってないよ?
だつて、昨日あんなに笑ってたじゃん?
春は新しい出会いがあるんじゃないの?
春は私にサヨナラを連れてくるの?
次の日から
夏生は学校にこなくなった。
ただ誰もその理由を
何も知らなかった。
「家行ってみる?」
「私家知らない」
私、何も知らない。
夏生の事何一つ知らない。
「ねぇ、これ」
愛菜が久しぶりに話しかけてきた。
「これ何?」
渡された一枚の紙切れ。
「私の口から言ってもいいけど、やっぱり七瀬の目で確かめた方がいいと思う」
「ありがとう!」
握りしめたまま、
私はその場所に急いだ。