あの言葉だって私からじゃなく、ミホちゃんから言ってくれた。

『桃香は私の親友だよ』

今でも、無邪気に笑ってそう言ってくれたミホちゃんの顔を思い出すよ。

私はそう言ってもらえたことが心底嬉しくて、ミホちゃんの親友になれたことが誇らしくもあった。

【私にも、親友って存在がいたんだよ。でもすぐに、校内で流行りだしたシカトゲームが私のグループでも始まった】

でも、親友なんて、口先だけの大ウソだったよ。

【なんの前触れもなく、標的にされたのは私だった。親友も手の平返してシカトして、私を陰で笑ってた。こんな裏切り、最低だよ】

親友ができたと浮かれていた自分がバカらしかった。

悲しいっていうよりも、彼女たちにも自分にもがっかりした。

悔しくて仕方なくて、こうしている今も聞き苦しい声が漏れ出てしまう。

そんなんだったら、親友なんて言うな……。

親友なんて言葉、もう二度と信じるもんか。

【ソラには、ちゃんと話を聞いてくれるブラックがいるでしょ。私にはいないけど。だから、そんな親友は、捨てなよ】