あの時の痛みを思い出すだけでも、くっきりとした白い文字が滲んで見えた。
ソラはまだ、なにもわかっていないんだね。
あの日の私みたいに……。
【目、覚ましなよ。名ばかりの親友なんか、親友なわけないでしょ。経験した私が言ってるんだから】
胸が痛くて、顔が歪む。
こんなかっこわるい過去、自ら告白する日が来るなんて思わなかった。
少し間があって、ソラはつぶやく。
【ももたん……?】
私はそれを見て大きく息を吐き出すと、遠くのまっ白な壁を見つめて小学生の頃の教室を思い出した。
【私はね、小5の頃、クラスの中でも大きな女子グループに入ってた。みんなかわいいのに、私だけビミョーだったけど、みんな友達になってくれた。私が足にケガをしてからも、普段助けてくれた】
そう、彼女たちは優しかったんだ。
みんな元気で、明るくてかわいくて、そんな憧れの子たちと一緒にいられる私は幸せだった。
特に、いつもおさげ髪にしていたミホちゃんとはすごくすごく仲良しで、オソロのヘアゴムだって、キーホルダーだって持ってたの。