幸せだねなんて言ったのは、私の大間違い。
私みたいにただネットを彷徨っているのではなく、ブラックはすでにこのおかしな現実に立ち向かっているんだね……。
努力しても報われなくて、正しいことをしても悪に踏みつぶされる、そんな不条理な世界で、彼は真正面から戦っている……。
私は心が重たくて、指も思うように動かず、返事は書けなかった。
だけど、素直にかっこいいと思った。
ウソをつくことしか満足にできない私には、これから先もずっと、そんな戦い方できないんだ。
だから私に、勝利なんてものは決して訪れない。
所詮、私がやっている小さな復讐さえも、私の嫌いな人間たちがやっている“おままごと”と同じだから。
私は力なく、ただ黒い画面を見つめる。
けれどその時、なにも新しい書き込みが出てこない画面に動きがでたのだ。
【あれ、なんか盛り上がってるところだったかな? えへへ、遅くなっちゃった】
書き込んだ人間は、ソラだった。