【ソラが来ない日って、今までにもあったの……?】

ソラのことなんて私はなにも知らない。

顔を見たこともなければ、どこに住んでいるのかも知らない。

ただ、この数週間で人懐こく慕われただけのこと。

なのに、微かにキーボードに触れる爪の先が小さく音をたてるのはなぜ……?

【何度かあったよ。でも俺が知る中で一番心配だったのは、このサイトが荒らされたあのときだ】

画面には、私に知らない過去がまた淡々と書かれていた。

こんな少数しかユーザーのいないホームページが荒らされるんて考えられない。

ここはホームページの入り口にもあんなトリックが仕掛けてあるし、こんな変なサイト、そうはたどりつけるものじゃないはず。

【でも、ここは私たちみたいな人間を秘密で招待しているんでしょ?】

そもそもこんな陰気な場所、人なんて集まるわけがない。

【いや、ここは人でいっぱいだった。俺らは招待されたけど、その頃はまだ開放的で盛っていたんだ。だけど、初めて来たときの誰かさんみたいに、俺らをバカにするヤツらが流れ込んできて、ここは崩壊した】