【今日もアキムはいないけど、ゆっくりしていったらどうだ?】
入室するとすぐに、ブラックが書き込んできた。
言われなくたって、私にも想像はついている。
でも、私はその書き込みしか現れないことに小首を傾げた。
だって私が入室すると、決まって人懐こい子犬みたいにまっ先に書き込みをするのはソラだったから。
【ねえ、ソラはどうしたの? 来てないの?】
私はそう打ち込むと、今までの書き込みに目を通した。
やっぱりソラの書き込みは、昨日のものまでしかない。
【ああ、来ていない。きっとなにかあったんだろう……。あんなこと、してなきゃいいけど】
新しいブラックの書き込みを、私は食い入るように見つめていた。
この間の“リストカット”ていう言葉が突如頭に浮かんで、私の心臓はドクリと変に脈を打つ。
まさか、ブラックが言っているあんなことって、リストカットのこと……?
私の指先は自然と震えた。