ニックやジャンにはとても信じられない話だったが、少年に案内されて入った家屋の地下室では十数人の子供の姿が存在した。

少年と同じく空腹に苦しみ、衣服も汚れ、一日一日その日暮らしの生活を過ごしている。


なぜこんな境地に立たされているのか…、少年は言った。

少し前まではこの小さな村で、温泉地の恩恵を受けながら、貧しいながらも幸せに暮らしていた。

だが、夏のある日、子供たちがキャンプて村を留守にした際に、モンスターによって襲われたと。

その恐ろしいモンスターの大群は、たった一日で村を壊滅に押しやったのだ。

住民の大半は反撃の術を知らず無惨にも殺されてしまった。

今まで平和だったこの村を、どうしてモンスターの大群が襲ってきたのか分からない。

ただの通りすがりだったのか…。
結果として不幸に見舞われてしまった。


子供たちのキャンプに引率していた大人も二人いたそうだ。

その大人たちは他の村人の遺体を葬り、飼っていた馬や牛などを子供たちの食糧として分け与えた。

そして、他の地へ助けを呼びに行くと、この村を出ていった。

少年たちはそれ信じ、彼らの帰りを待ちながら毎日をギリギリで暮らしている。

が、未だに彼らは戻ってこないらしい。