―4月―

見事志望大学に受かった私は独り暮らしをしながら大学へ通っている。
友達も出来て楽しい。

「梭輝ちゃん!!おはよう♪」

「おはよう。」

この友達の名前は山賀羚(やまがれい)。
サラサラストレートの長い髪や切れ長の目が大人っぽい。

「一緒に帰っていい?」

「いいけど、私スーパーに寄るよ?」
「うん!私もついでに買い物してこーっと」

二人並んで歩く。

山賀さんも独り暮らしで私のマンションの近くらしい。

「ねえねえ」
「ん?」

「梭輝ちゃんってサークルとかクラブとか入るの?」

「まだ決めてない・・・疲れるし、入らなくてもいいかな、とも思ってる。」

「へえーー。じゃあ、高校の頃は帰宅部だったの?」

「・・・え?あーいや、陸上部・・・」

「そうなの!?だったら陸上部入ったらいいのに。」

「ううん。去年ケガして、もう走れないの。」

「あ・・・ごめんね・・・」

とっても心配そうな目で私の顔をのぞいてくる。

「大丈夫よ。もう気にしてないから。」

そう言った瞬間、彼女の表情が緩んでほっとした顔つきになった。



買い物を終わらせて自分のマンションに帰る。あー、疲れた・・・