「相成梭輝」

「はい」


名前を呼ばれて、返事をする。


今日はみんなが大きな空へ羽ばたく時。

みんな、大切な人生の第一歩を踏み出す。思い思いの人生を描くように…


卒業生の答辞が終わって退場の曲が流れ出す。


ここで出会ったみんな。この広い世界で、偶然、同じ学年で、偶然、同じ学校で、偶然、同じ部活で、偶然、日本に生まれて、偶然この“自分”として生まれてきた。


まだまだ数えきれないくらいの偶然が奇跡のように重なって出会えた仲間たち。

忘れないよ…



退場するときに担任の先生からひとりひとりに渡される小さな花束。色んな花がある。黄色い花、青い花、赤い花。
個性溢れる私たちを象徴しているように…



花束をもち体育館の真ん中を通る。
涙を浮かべている逢尾依ちゃん。マネージャーの仕事とても頑張ってくれてたよね。3年の男子からもその明るい笑顔が人気だったよ。

号泣しちゃってる仲西萌夏ちゃんに佐藤梨和(りお)ちゃんたち1、2年生。
足を怪我したときも気にかけてくれたよね。練習も一生懸命頑張って、県大で入賞したときの嬉しそうな眩しい笑顔。忘れないよ。
今までありがとうね。